【完】さつきあめ〜2nd〜
「あたし、朝日には幸せになってほしい!朝日にはいつも笑っていてほしいよ!
朝日がやりたい事をして、自分の願いを叶えて
そうやって生きていてくれるのなら、未来に隣にいるのがあたしじゃなくてもかまわない!」
「傷つけあってでも側にいてくれなかったら、俺は他の女と付き合うかもしれねーし違う女を抱くかもしれねぇ…」
「ねぇ、傷つけあってでも側にいなくちゃいけないんなら、それはお互い疲れてしまう事だらけになっちゃうよ。
そしたらまた間違って正しい選択を出来なくなっちゃう」
いまは一緒にいられない。
無理やりにでも一緒にいる未来を選ぶ事は出来たのかもしれない。
でもそれをしたところで、私たちは傷つけ合ってしまうのだと思う。
それじゃあ同じ事の繰り返しになってしまう。
それでも、いつか、その過去さえ優しく抱きしめてあげられる日が来るのだとしたら…
「いつか…」
背中越しに、朝日の言葉を受けて涙をぐっと堪えていた。
「それでもいつか一緒にいる未来が来たらって願わずにはいられないんだ」
「いつかなんて待ってたら朝日おじさん通り越しておじーちゃんになっちゃうよ!」
「お前!!」
「それにあたしはまだ若いし、可愛くてぴちぴちだからこれから沢山恋もするんだ!
色々な人と出会って…そうだよ。これからの人生、色々な人と出会って、色々な経験をして
変わっていくんだよ…朝日もあたしも。それってきっと悲しい事なんかじゃないよ。
じゃ!あたし帰るよ!」