【完】さつきあめ〜2nd〜

「ふっふー。さくらちゃん相変わらずだねー!
でも同じお店で働くっていってもライバルだし、レイは一切手を抜きませんからー!」

「あ、あたしも負けるつもりはありませんから!」

「おー言うねー!さくらちゃんが思っているよりレイ結構双葉で人気者だからそう簡単にレイを越えれるかなー?」

「はは、レイさんもレイさんのままで少しだけ安心しました。双葉で働いてるからおとなしくなってるのかなって思ったらそうじゃないみたいだし」

「ね、今日ちょっとだけご飯食べに行かない?
さくらちゃん痩せすぎだし、レイもお腹ぺこぺこなんだぁ~!
ん~!焼肉な気分!ね!いいでしょ?行こ!」

「あれーダイエットしてるんじゃなんですか?」

意地悪で言ったら、レイは子供みたいに両頬をぷくりと膨らませた。
そんな仕草も可愛いと思うのだから、これはもう彼女の元から持っている才能なのだろう。

「嘘ですって!焼肉行きましょ!すごく久しぶりだから食べたいし!」

わたしの言葉に花のような笑顔を見せて、やっぱり無邪気に笑った。

「レイさん、さくらさんお疲れ様です」

レイとふたりお店を出ようとすると、沢村がわたしたちに向かいにこりと挨拶をしてきた。
黒服の中に混じって、お店の片づけを率先してやっているように見えた。
少し奥のソファーで由真が大の字になって「もう飲めないー」と唸っている。色々な卓をくるくると回り、挨拶をして色々なお酒を飲む由真を見て、ママも大変なんだなと思う。
指名の卓だけではなく、女の子のお客さんひとりひとりに彼女は挨拶をかかさないそうだ。

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