【完】さつきあめ〜2nd〜

「おつかれさまでーす!」

「おつかれー!!」

お店の後片付けをある程度終えて、女の子たちがお店から出ていく。
わたしも今日の売り上げを計算しながら、それを黒服に渡す。
今日は事務所に行く予定もない。
誕生日を迎えたのに、特にアフターの予定もなし。
明日に備えて早めに帰るのもいいけれど、

携帯を開いても、誰からの連絡も無し。
こんな寂しい誕生日ってある?!
女の子たちも挨拶をしてそそくさと帰っていく。
もしかしてわたし、嫌われている?!
黒服も売り上げを持って、さっさと事務所に行ってしまうし、文月に残ったのは美月だけ。

その美月も大きく伸びをして、「翔迎えに行かなくっちゃぁ~!」と呟いている。

「じゃあ、さくらさんあたし帰りますよ!おつかれっしたぁー!!」

「ちょっとこれから美月ちゃんち行こっかなぁー」

「え?!無理です。無理。今日は無理です」

「嘘だよぉ…。でもそんな即答で断られたらショックじゃんかよ」

「またまた~記念すべき26歳になった初めての夜ですよ~
お祝いしてくれる人いるんじゃないですか~」

「ま、まぁね、沢山いるけど!!!」

「そりゃそうですよ~!さくらさん人気者ですからね!!
じゃあたし、託児所に翔迎えに行って帰りますね!
明日はバースデーだからきっとすっごく盛り上がりますよ!頑張りましょ!!」


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