壊れそうなほど。

「……あっそ。つーか!お前、結婚するってガチ!?」

電話する佑介の大きすぎる声に、周りの客が一瞬こっちを向いた。気まずい。ダメだ、コイツかなり酔っ払ってる。

「うん …………うん……で、お前はなんでオレにそういうの一言も言わないわけ? …は? ふざけんな。関係なくねーわ!」

沙奈の声は聞こえないけど、たぶん「佑介には関係ないでしょ」って言ったんだろう。

「……うん。………あ? なんでわかんねんだよ、バカ。オレ、あと何百回お前に好きって言えばいーの?」

…………え?

今、佑介なんて言った? あと何百回好きって言えばって……沙奈は佑介の気持ち、とっくに知ってるってことか?

え、どゆこと?

「つーか、もういい。お前の大好きなユッキーに代わるわ。……うん、隣にいる」

完全に座った目で、「沙奈」と言いながら俺に受話器を突きつけた。

いや、このタイミングで俺?
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