私たちの六年目
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「お先に失礼します」
「崎田君、お疲れー」
今日の仕事も無事終わって、僕は自分の荷物を手にして事務所を後にした。
ただ今、時刻は19時。
今から病院に行けば、まだ面会時間には充分に間に合う。
会社から病院が近くて良かった。
着替えなど必要なものは、仕事の合間にアキ先輩が持って行ってくれるし。
僕も、毎日菜穂さんに会いに行けるから。
「あ、雨だ」
会社の玄関を出ると、雨がパラパラと降っていた。
昼間は、あんなに晴れていたのに。
仕方なく自分のカバンから折り畳み傘を取り出していると。
「崎田君」
背後から、聞き覚えのある声がした。
その声に振り返ると、柱の後ろからある人が姿を現した。
「秀哉さん……」
そう。
僕に声をかけたのは、秀哉さんだった。
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「お先に失礼します」
「崎田君、お疲れー」
今日の仕事も無事終わって、僕は自分の荷物を手にして事務所を後にした。
ただ今、時刻は19時。
今から病院に行けば、まだ面会時間には充分に間に合う。
会社から病院が近くて良かった。
着替えなど必要なものは、仕事の合間にアキ先輩が持って行ってくれるし。
僕も、毎日菜穂さんに会いに行けるから。
「あ、雨だ」
会社の玄関を出ると、雨がパラパラと降っていた。
昼間は、あんなに晴れていたのに。
仕方なく自分のカバンから折り畳み傘を取り出していると。
「崎田君」
背後から、聞き覚えのある声がした。
その声に振り返ると、柱の後ろからある人が姿を現した。
「秀哉さん……」
そう。
僕に声をかけたのは、秀哉さんだった。