私たちの六年目
それは、保護者の名前や居住地を書き込むページだった。


母親の名前は既に記載されているけれど、父親は空欄のままになっている。


これって、どちらの名前を書くんだろう。


父親は例の男だから、やっぱりその男の名前を書くべきか?


でも、その男にはちゃんと家庭があるわけだし、二人は一緒になるわけじゃないから書くわけにはいかないよな。


だとすれば、俺の名前?


俺は、もちろん構わないけど。


でも、俺はお腹の子と血の繋がりがあるわけじゃないし、やっぱりここへは書くべきじゃないのかな……。


なんか、こういうのを目の当たりにすると。


どうしていいかわからなくなる……。


なんだか苦しくなって、パタンと母子手帳を閉じた。


それにしても……。


このソファーの洗濯物の山。


これをどうにかしないと、俺はまともに座ることもできない。


「この衣類、たたんでいいかな?」


「あー、うん。いいよ」


そう答える梨華は、いつの間にかベッドに横になっていた。


「これって洗濯されたもの?」


「んー、全部がそうとは限らないかな」


思わず苦笑い。


やっぱりそうか。


混ざってしまってるんだな。


「全部一緒にたたんでもいい?」


「ごめん、ありがと」


今は体調がすぐれないから出来ないのであって、普段は出来るんだよな?


そんなことを思いながら衣類をたたんでいたその時、明らかに女性のものではない服が俺の手に触れた。
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