私たちの六年目
「私の両親に会った後は、今度は秀哉の両親だね」


「え……? あ、あぁ……そうか。そうだよな」


俺の両親にも、話さないといけないんだ。


『結婚したい人がいる。

その人は、もう既に妊娠していて。

俺は父親になるんだよ』って……。


両親は、おそらく喜んでくれるだろう。


俺が選んだ女性なら……。


「お互いの両親の顔合わせも、いずれしないとね。

結婚式をどうするか、相談しないといけないし。

出来ればお腹が大きくなる前に挙げたいけど。

式場が空いてなかったら、産まれてから挙げてもいいよね」


「ん? うん……」


どうしよう。


やらないといけないことが多過ぎて、頭が全然追い付いてくれない。


しっかりしないと……。


「結婚式、誰を招待しようかな。

郁未と守は呼ぶよね?」


「あー、うん。って言うか、あいつらは呼ばなくても来そうだよな」


「だよね」とクスクスと笑う梨華。


だけど、すぐにその顔は雲ってしまった。


「ねぇ……」


「ん?」


「菜穂は……。

来てくれないかな?」


梨華の口から菜穂の名前が出て、ドクンと心臓が音を立てた。


「菜穂、私のこと……まだ怒ってるかな……」


そう言って梨華は、悲しそうに目を伏せた。
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