私たちの六年目
私がそう答えると、崎田君は「よし!」と言ってガッツポーズをした。


「あー、楽し。今日むっちゃ楽しい」


無邪気に笑う崎田君。


崎田君がすごく嬉しそうだから、私もなんだか嬉しかった。


「ねぇ、崎田君。

これだけすごいと、今日家に帰ったら、今のこの時間が夢だったんじゃないかと思ってしまいそうじゃない?」


私の言葉に、崎田君が「確かにそうですね」と笑った。


だって、あまりに現実離れしているもんね。


こういうところに来る人って、さぞお金持ちなんだろうな。


そんなことを思いつつ、私はここへ来て初めて他のテーブル席を見てみた。


夜景と料理とインテリアに夢中で、周りの人なんてあまり気にしていなかったんだ。


あらためて見てみると、来ているお客さんはみんなきらびやかで、私よりすごいドレスを着ている人ばかりだ。


外国人も多いのね。


さすがに彼らは場馴れしていると言うか、絵になるよね。


感心して見ていると、やけに楽しそうに会話が弾んでいる人達を発見した。


ご家族なのだろうか。


50代くらいのご夫婦と、若いカップルがいる。


若い女性は淡いピンク色のワンピースを着て、彼氏の方はスーツか。


「え……?」


その姿をしっかりと認識した直後、ドクンと心臓が音を立てた。


ちょっと待って。


うそでしょう?


こんなことって!


グラスを持つ指先が、勝手にブルブルと小刻みに震える。


そう……。


あろうことに、同じレストラン内に秀哉と梨華がいたのだ。
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