私たちの六年目
「それにしても、皆さん本当に仲がいいですね。

僕も大学の時の友人は大勢いますけど、就職してからはまだ一度も会ってないですよ。

しかも男女でこんなに仲が良いなんて、かなりレアなケースじゃないですか?」


「そうかなあ?」


別に普通じゃない?と、みんなが口々に言った。


「今日欠席されているのは、男性なんですか?」


「ううん、女の子よ。あっ、写真見る?」


そう言って頼まれてもいないのに、崎田君に梨華の写真を見せる郁未。


崎田君の隣に座ってるせいか、郁未はずっとご機嫌だ。


「綺麗な人ですね」


「でしょう? この子、大学の時すごくモテてたのよ」


「そうでしょうね。

でも、同じサークルにこれだけの美人がいたら、このメンバー内でも色恋沙汰とかあったんじゃないですか?」


「いや、なかったねー。

あたし達って、ほんとそういうのなかったのよねー」


「なかったよな。だからこそ、こうして今も続いてるんだろうしなあ」


郁未と守の話を聞きながら、私と秀哉は黙り込んでいた。


秀哉が梨華を好きだったことは、この二人は一切知らないからだ。


「へぇ、そうなんですか。

恋愛は、全くなかったんですか……」


そう言って、チラリと私の方を見る崎田君。


私はすぐにパッと視線を逸らした。
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