私たちの六年目
「菜穂も彼氏が出来ないんじゃなくて、作らないクチでしょ?

サークルの先輩や後輩に数人いたじゃない。

菜穂がいいって言う人。

あんた、気にも留めてなかったけど」


「菜穂は、密かに人気があったんだぞ。

オレ同じ学部のヤツらに、江坂さんと仲良しでうらやましいってよく言われてたし」


「ほら、やっぱり。

菜穂さん、モテてたんじゃないですかー」


崎田君が、怒ったような口調で言った。


「秀哉さんも菜穂さんもモテるのに恋人を作らないんですね。

何か理由でもあるんですか?」


崎田君の言葉に、チラリと秀哉に視線を移すと。


秀哉は、複雑そうな表情を浮かべていた。


「崎田君、それはあたし達も謎なのよ。

あたしや守でさえ、大学時代付き合った人がいるのに」


「単に恋愛が面倒くさいんじゃないのか? 最近そういうヤツ多いよな」


「案外、同性の方が好きだとか」


「あはは、それはないでしょー」


人の話で勝手に盛り上がっている守と郁未と崎田君。


そんななか私と秀哉は、ただ黙って三人の話を聞いているしかなかった。
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