私たちの六年目
「あの二人に絞れた時点で、もう答えは簡単でした。

守さんも素敵な人だけど。

秀哉さんはレベルが違うと言うか、ズバ抜けて魅力的な人だったから」


崎田君がそう言った後、突然ガクッと膝が落ちた。


なんだか立っていられなくて、私はへなへなと車輪止めの上に腰を下ろした。


「ちょっ、菜穂さん? 大丈夫ですか?」


「……。大丈夫じゃないよ……」


ボソッと呟くと、崎田君も隣の車輪止めの上に腰を下ろした。


「……すみません。菜穂さんの秘密を暴いちゃって……」


ホント、崎田君のせいだよ。


今までずっと気を張って来ただけに、なんだか完全に力が抜けてしまった。


「秀哉さんって、ものすごくかっこいいですね」


「そうだね……」


「あれ? 急に素直になりましたね」


それは、そうでしょう。


もうここまで来たら、逃げも隠れもしないよ。


「いつから好きなんですか?」


「ん……。大学入学してすぐ……かな?」


「えっ、じゃあもう六年目?」


びっくりしたのか、声がひっくり返る崎田君。


「まぁ、そう……なるよね」


自分でもこんなに長く想い続けることになるなんて。


入学当時は思ってもみなかった。
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