没落貴族の娘なので、医者として生活費を稼いでいます!
もちろん家で教わったわけではなかった。あれは私がオーガストのもとで修行をして二年がたった頃ーーー
「シエル」
「なに、オーガスト?」
「ダンスは踊れるか?」
「?踊れないよ。練習していないんだから」
あのままレティシア子爵家に残っていれば今頃ダンスの一つや二つ踊れただろうが、朝から晩まで医学の勉強に没頭している私が踊れるわけなかった。
「じゃあ練習しろ。踊れるようになるまで医学の勉強は禁止だ」
「は!?」
言いたいことだけ言うとオーガストは往診に行くと言って、診療所を出て行った。
(まあどうせ冗談だろ)
そう判断した私はそのまま医学書を読み続けた。
それから数時間、オーガストが往診から帰ってきた。
「シエル、ダンスは踊れるようになったか?」
「ううん」
ちょうど医学書が興味深い分野のページだったので、適当に返事を返した。
その瞬間、
「え!何すんの!オーガスト、本を返して!!」
「踊れるまで禁止と言った」
そういって私の愛読書の医学書をすべて金庫にしまい鍵をかけてしまった。
「なんでよ!医者にダンスなんて関係ないでしょ!」
「こんどパーティーに行くことになったから言っているんだ」
「・・・それを先に言って!!」
オーガストはとても偉大な医者だし、尊敬するが今回のように理由をいわずに指示したりすることが多い。言葉がいつも足りないのだ。
「すまん。以前治療した伯爵家のお嬢さんがどうしてもおまえを招待したいそうだ」
「たのむからそれを先に言って・・・。で、私は踊れないし誰が教えてくれるの?」
「俺が教える」
「え?」
そこから1週間みっちり仕込まれ、その間本当に医学の勉強はさせてもらえなかった。
「シエル」
「なに、オーガスト?」
「ダンスは踊れるか?」
「?踊れないよ。練習していないんだから」
あのままレティシア子爵家に残っていれば今頃ダンスの一つや二つ踊れただろうが、朝から晩まで医学の勉強に没頭している私が踊れるわけなかった。
「じゃあ練習しろ。踊れるようになるまで医学の勉強は禁止だ」
「は!?」
言いたいことだけ言うとオーガストは往診に行くと言って、診療所を出て行った。
(まあどうせ冗談だろ)
そう判断した私はそのまま医学書を読み続けた。
それから数時間、オーガストが往診から帰ってきた。
「シエル、ダンスは踊れるようになったか?」
「ううん」
ちょうど医学書が興味深い分野のページだったので、適当に返事を返した。
その瞬間、
「え!何すんの!オーガスト、本を返して!!」
「踊れるまで禁止と言った」
そういって私の愛読書の医学書をすべて金庫にしまい鍵をかけてしまった。
「なんでよ!医者にダンスなんて関係ないでしょ!」
「こんどパーティーに行くことになったから言っているんだ」
「・・・それを先に言って!!」
オーガストはとても偉大な医者だし、尊敬するが今回のように理由をいわずに指示したりすることが多い。言葉がいつも足りないのだ。
「すまん。以前治療した伯爵家のお嬢さんがどうしてもおまえを招待したいそうだ」
「たのむからそれを先に言って・・・。で、私は踊れないし誰が教えてくれるの?」
「俺が教える」
「え?」
そこから1週間みっちり仕込まれ、その間本当に医学の勉強はさせてもらえなかった。