恋の宝石ずっと輝かせて2
10
仁が推測したように、十分後には車が家の側で停まった気配がした。
仁とユキは玄関に向かい、靴を履いて素早く外に出ると、ちょうど花梨が適当な所に駐車した車のドアを開けて出てくるところだった。
花梨は風呂敷に包んだ何かを抱えている。
それが多分赤石に違いない。
玄関先で仁とユキは、ゆっくりとこちらに向かってくる花梨を不安な面持ちで見ていた。
花梨も警戒して、顔が強張っていた。
仁が声を掛けようと口を開こうとしたその時、素早い動きでキイトが降って湧いたように花梨の前に立ちふさがった。
仁もユキも突然のことにただ驚く。
「花梨、それを渡して貰おうか」
キイトが恐ろしい形相で花梨を睨みつけた。
「新田さん、これはどういうことですか。最初からこうなるように私を騙してここに来るように誘い込んだのですか?」
花梨はキイトを恐れ後ずさる。まるで裏切られたとでも言うように失望した目を仁に向けた。
呼び出した仁ですらこの状況がはっきりと把握していない。
不穏な空気に包まれ仁もただ困惑していた。
「騙してなんかいません。僕はただ赤石を守ろうとしただけです。まさかキイトがここで待ち伏せしてるなんて思わなかったんだ」
「仁の言う通りだ。私はただ仁がどうするのか様子を見てただけだ。真相を知った私の後をつけてこなかったので、ここに花梨を呼び寄せたと思って待っていたのさ。さあ、花梨、赤石を渡してもらおうか。人間が欲望のためにそれを持つと死を持って償わねばならないということを知っているだろう」
キイトに責められ、花梨は膝を地面について崩れてしまった。
絶体絶命に呆然となった。
「キイト、待つんじゃ!」
仁が推測したように、十分後には車が家の側で停まった気配がした。
仁とユキは玄関に向かい、靴を履いて素早く外に出ると、ちょうど花梨が適当な所に駐車した車のドアを開けて出てくるところだった。
花梨は風呂敷に包んだ何かを抱えている。
それが多分赤石に違いない。
玄関先で仁とユキは、ゆっくりとこちらに向かってくる花梨を不安な面持ちで見ていた。
花梨も警戒して、顔が強張っていた。
仁が声を掛けようと口を開こうとしたその時、素早い動きでキイトが降って湧いたように花梨の前に立ちふさがった。
仁もユキも突然のことにただ驚く。
「花梨、それを渡して貰おうか」
キイトが恐ろしい形相で花梨を睨みつけた。
「新田さん、これはどういうことですか。最初からこうなるように私を騙してここに来るように誘い込んだのですか?」
花梨はキイトを恐れ後ずさる。まるで裏切られたとでも言うように失望した目を仁に向けた。
呼び出した仁ですらこの状況がはっきりと把握していない。
不穏な空気に包まれ仁もただ困惑していた。
「騙してなんかいません。僕はただ赤石を守ろうとしただけです。まさかキイトがここで待ち伏せしてるなんて思わなかったんだ」
「仁の言う通りだ。私はただ仁がどうするのか様子を見てただけだ。真相を知った私の後をつけてこなかったので、ここに花梨を呼び寄せたと思って待っていたのさ。さあ、花梨、赤石を渡してもらおうか。人間が欲望のためにそれを持つと死を持って償わねばならないということを知っているだろう」
キイトに責められ、花梨は膝を地面について崩れてしまった。
絶体絶命に呆然となった。
「キイト、待つんじゃ!」