恋の宝石ずっと輝かせて2
 そこに突然セキ爺が現れた。
 庇って花梨の前に立つ。

 キジバトがキイトに連絡をしてきたのを見ていて、気になってセキ爺も黙ってここに来て様子を見ていた。

「これは全て儂が仕組んだことだ。花梨は何も悪くない。殺すなら儂を殺してくれ。儂は赤石を手にして力を得て山神になろうとしたんだ。全ては儂が企んだことだ」

 仁もユキもこの結末に驚いた。
 赤石を盗んだ犯人はセキ爺――。

「そうだと思った。赤石が花梨の家にあると聞いて、犯人はすぐにセキ爺だと私も分かったところだった。赤石を盗んで花梨に預けていたんだな。そして、私をあの時殺そうとしたのもセキ爺だな」

 セキ爺は罪を認めたが、最後のキイトの言葉で疑問符を頭に浮かべていた。

「キイトを殺そうとした? どういう意味だ? 儂は赤石を奪っただけだが……」

「ええい、問答無用」

 キイトが飛び掛ろうとしたとき、今度は花梨がセキ爺を庇う。

「キイト、聞いて。父は悪くないの。悪いのは全て私。私がニシナ様から赤石を盗んだの。父は私を庇おうと嘘を言ってるだけ」

「花梨、何を言うんじゃ。お前は黙っとれ」

「お父さんもういいの。私が全て悪いの」

 お父さん? 仁もユキもお互い顔を見合わせた。

 話がまたややこしくなっている。

 ユキはそれを纏めるように前にでた。

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