恋の宝石ずっと輝かせて2
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 あともう少しで家につきそうだと言うときに、ぽつぽつと降り出したかと思うと、あっという間に大粒の雨となって地面を叩きつけた。

 家の軒下に滑り込んだときは髪と肩がすでに濡れて、ユキのブラウスはブラジャーが薄っすら透けて見えていた。

「入って」

 離れた方がいいと話し合ったそのすぐ後だが、この雨では追い返すわけにも行かず、ユキは仁を招き入れようとした。

 その力ない声に仁は遠慮する。

「ここでいいよ。雨が止んだらすぐに帰るから」

「でも、折角来てくれたんだから」

 ユキはそれ以上言わず、玄関の戸を開けたまま奥へとさっさと進んでいった。

 仁はそれならばと、家の中へ入っていく。

「適当に座ってて、着替えてくるから」

 エアコンがつけっ放しの居間はひんやりとしすぎて、少し濡れた服では鳥肌が立つ。

 エアコンのリモコンを見つけようとその辺りを探すと、センターテーブルの上にメモ用紙があるのに気がついた。

 それには『ジン』とカタカナで名前が記され、さらに『ハナシガシタイ』とそれもカタカナで書かれていた。

「これって僕へのメッセージなのか?」

 そのメモ用紙を手に取り、仁は暫くそれを眺めていた。

「待たせてごめん。なんか飲む?」

 Tシャツにジーンズとラフな格好でユキが現れた。

「別に何も入らない。ちょっと寒いからエアコン消してくれない?」

 ユキはすぐにリモコンを見つけボタンを押すと、電子音が静かな部屋で響いた。

「あのさ、僕に何か話したい事ある?」

 手に持っていたメモを見せたつもりだったが、ユキはそれに見向きもしなかった。

 というより、そのメモに気がついてない様子で安楽椅子にどさっと腰を下ろした。

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