学校一クールなキミのお世話係になりました
驚いたような顔をしてる遠藤くんは、じゃあなと言って先に校舎に入っていく。


教室まで一緒に行けばいいのにまるで、私達に気をきかせたみたいな感じだったから恥ずかしい。


生徒玄関に着くと、待ち伏せしていたらしきさっきとは違う女子達二人に声をかけられた。


その子達が赤い顔で勇気を振り絞ったような感じで恥ずかしそうに近寄ってきたので、思わず彼から離れようとしたけど逃してもらえない。


「あの、北原先輩お誕生日おめでとうございます」


「あーごめん、俺、こういうことだから」


彼は私とつないでいる手を軽く挙げて彼女達をけん制する。


「だから、それ受け取れない」


さらりと断って、振り向きもせずに早足で歩き出す。


「ちょっと、北原くん。あの子達が可哀想」


振り返ると、悲しそうにしょんぼり項垂れている女子達。多分1年生かな。
< 127 / 303 >

この作品をシェア

pagetop