学校一クールなキミのお世話係になりました
「それでわざわざ、来てくれたの?」


「う、うん、そうだよ」


「なんだ、そうか」


彼がちょっとだけ笑ってくれたので、嬉しくなった。


「優しいんだな、アンコって」


「そんなことないけど」


照れくさくてつい、俯いてしまう。多分私の顔は真っ赤になってるに違いない。


「アンコ、そんな風に誰にでも優しくしない方がいいのに」


「そんなんじゃないよ」


「わかってるよ。俺が1人でいるのが可哀想だから来たんだろ?誕生日に家族すら祝ってくれないから気の毒に思った?」


優しく私を見る彼の表情は、はかなげに見えて少し胸が苦しくなった。


「そういうんじゃ」


「けど、これも慣れってやつかな。こういうのが当たり前すぎて、もうなにも感じないんだよな」

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