涙の裏側 ~もう一人の私~
「コーヒーで良い?
俺、これでもコーヒーを淹れるのは上手いんだ。」
ニッコリ笑って席を立つマスターについて行くと
「座ってて良いよ。」って
「見たら迷惑ですか?
ダメでないなら、マスターが淹れるのがみたいな。
誰かが私の為にしてくれるのが嬉しくて。」
小さい頃から、私の為にご飯を作ってくれる事のない母親。
ご飯は、家政婦さんが作っておいてたのを食べる。
母親が作るのは、咲々の野菜スープとお弁当。
お家に帰れない咲々の為に、少しでも家庭的な愛情を与えたいと。
病院で食事をとる親子3人。
そこには、私の居場所はない。
小さい頃からずっとだから……
羨ましいとか、淋しいなんて思ったことはない。
そんなものだと思ってるから。
そう思って育ったはずなのに…………
いつからだろう?
あのお家が、広く寒く感じたのは。
それから直ぐ家を出て、一人暮らしを始めた。
狭いアパートのようなマンション。
隣の人の生活音が聞こえる建物。
部屋にはいっぱいのぬいぐるみをおいて。
あれからずっと家に帰ってない。
咲々に逢ったのも…………その頃が最後。
もう数年、顔を見てないの。
俺、これでもコーヒーを淹れるのは上手いんだ。」
ニッコリ笑って席を立つマスターについて行くと
「座ってて良いよ。」って
「見たら迷惑ですか?
ダメでないなら、マスターが淹れるのがみたいな。
誰かが私の為にしてくれるのが嬉しくて。」
小さい頃から、私の為にご飯を作ってくれる事のない母親。
ご飯は、家政婦さんが作っておいてたのを食べる。
母親が作るのは、咲々の野菜スープとお弁当。
お家に帰れない咲々の為に、少しでも家庭的な愛情を与えたいと。
病院で食事をとる親子3人。
そこには、私の居場所はない。
小さい頃からずっとだから……
羨ましいとか、淋しいなんて思ったことはない。
そんなものだと思ってるから。
そう思って育ったはずなのに…………
いつからだろう?
あのお家が、広く寒く感じたのは。
それから直ぐ家を出て、一人暮らしを始めた。
狭いアパートのようなマンション。
隣の人の生活音が聞こえる建物。
部屋にはいっぱいのぬいぐるみをおいて。
あれからずっと家に帰ってない。
咲々に逢ったのも…………その頃が最後。
もう数年、顔を見てないの。