眼鏡フェチな私
何度も何度もそう否定した。
なのに気が付くと目が主任を追っている。

そして目が合うたびに主任はいたずらっ子みたいに笑うんだけど……その目はやっぱり、私の心を探っている、みたいな。

あの目で見られるたびに自分の知らない、本当の私の気持ちを見抜かれていそうで、怖くなった。


ある日。
いつものように主任を目で追っていた私は、気になることを見てしまった。

……主任が。
中指で鼻の頭を擦る……というか。
あれ、は、まるでずり落ちた眼鏡をあげるような仕草。
無意識、なのか、主任はその後も気にすることなく、書類に向かっていた。


「主任。
もしかして普段、眼鏡掛けたりしてませんか?」

その晩は秋吉と主任と三人で飲みに来ていた。

……放生会以降、主任とふたりで、ってことはない。

けど、時間が合ったりすると誘われて、たびたび三人で飲みに行った。

……私が振った秋吉と、いま気になる存在の主任。
< 13 / 22 >

この作品をシェア

pagetop