眼鏡フェチな私
私の気持ちはいつも微妙だ。

「だったらなに?
篠浦さんになにか関係あるの?」

それまで笑っていた主任の目が、すぅーっと細く、冷たくなった。

「……いえ」

……だったら?
だったら私はどうするんだろう?

「なにおまえ、主任が眼鏡だったら好きになるわけ?」

「ち、ちがっ」

「……そんなことで好きになられたって。
全然嬉しくない」

吐き捨てるようにそう言われ。
あとは幾ら飲んでも酔えなかった。



街路樹が色付き始め、薄手のコートが欲しくなってきた頃。

まだ私はもやもや悩んでいた。

……眼鏡じゃない、から。
眼鏡じゃないから好きになるなんてありえない。
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