眼鏡フェチな私
「……あー、俺の負けかな。
やっぱ眼鏡じゃないとダメみたい」

席に近づいたとき、聞こえてきた声に足が止まった。
まだ私が戻ってこないと思っているのか、ふたりは笑いながら話している。

「……でっしょー。
なら今日は主任の奢りということで」

「……仕方ないなー」

「……なんの話?」

ふたりの視線が私を捉えると、笑顔のまま固まった。

「そんな賭、してたんだ」

「えっ、あっ、ちょっと待て! 
別に悪気があってじゃなくてな、その、第一おまえ、眼鏡じゃないと絶対好きにならないんだから、最初から賭は成立してないっていうか」

慌てふためいている秋吉とは対照的に、主任は私から視線を逸らすと目を伏せた。

……その態度に。
自分でも説明できない気持ちが沸き上がる。

「最低!!!」
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