眼鏡フェチな私
そのまま、倒れ込むように主任の腕に抱きしめられる。

「な……」

「……好きなんだ」

突然、耳元で囁かれた重低音に体中の血液が一瞬で沸騰した。
口から出るはずだった言葉は宙に消える。
ただ、なにも言えなくて突っ立ったままの私に、また重低音で囁かれた。

「……雪希(ゆき)が、好きなんだ」

震える手で、そっと主任のスーツを掴む。
恐る恐る見上げた顔は泣きそうだった。

「……でも、賭、だったんですよね……?」

自分から出た声はみっともなく震えていて、笑いたくなる。

「うん。
賭けてた。
……どうしても雪希に好きになって貰いたくて」

「……意味わかんないです」

「一種の願掛け……かな」

困ったように主任が笑った。

「眼鏡じゃなくても大丈夫、って」
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