恋と眼鏡
そっと、祐典さまの手が私の髪を撫で、涙がぽろりと落ちた。

頑張った、そんなふうに褒めてくれる人はいままでひとりもいなかったのだ。

そのまま涙はぽろぽろと落ちていく。

声を殺して泣く私に、祐典さまはずっと、あたまを撫でていてくれた。

だから私は。

こんな優しい祐典さまに、一生お仕えしようと心に決めたのだ。



祐典さまの叔父である孝利さまは、たびたび縁談の話を持ってくる。
そのたびに祐典さまは冷たくあしらっているが、孝利さまは懲りるということを知らないらしい。

「叔父上も、いい加減にしてくれないですかね」

はぁーっ、私の手に軟膏を塗りながら落ちる祐典さまのため息は、日毎に深くなっていく。
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