恋と眼鏡
「加代!
どこです!
返事をなさい!」

神様は意地悪だよ、最後の最後で私の気持ちを試すようなことをして。

「加代!
返事をなさい!」

「はい!」

何度も呼ばれ、思わず返事をしていた。
少しして私の目の前に現れた人に自分の目を疑った。

「加代!」

「ゆうすけ……さま?」

痛いくらいに強く、私を抱きしめているこの人が、なんでこんなところにいるのかわからない。

「よかった、怪我はないですね?」

「なん、で」

いるはずないのだ、こんな危険なところに。
高遠の当主である祐典さまが。
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