俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「副社長は決して苦労知らずというわけでは……」
異論を唱えようとした穂積の言葉を、「いい」と短く言って遮った。
「確かに、事情も知らず一方的に決めつけて、彼女を侮辱した俺に非がある」
そう言って、さっきから黙ったままの鈴花に向き直る。
「申し訳なかった」
俺が深く頭を下げると、鈴花は慌てたように「顔を上げてください」と肩に触れた。
「きちんと説明しなかった私も悪かったですし……」
そう言われ俺が顔を上げると、鈴花と至近距離で目が合った。
「だから、気にしないでください」
花が開くように可愛らしく微笑みかけられ、心臓になにかが突き刺さった気がした。
なんだこれは。急に脈が速くなった気がする。それになぜか頬も熱い。
自分の体調の変化に戸惑い困惑していると、隼人くんがふうっと息を吐き出した。
「じゃあ俺そろそろ帰ります」
そう言って、自分の荷物を持つ。
「勝手な誤解をして本当に悪かった」
俺がもう一度謝ると、不貞腐れたままの表情で「いえ」と首を横に振った。