俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
 

実家で暮らし老舗旅館の手伝いをしているだけじゃ、同年代の異性と出会う機会なんてない。
このままじゃ私は一生恋をするのは無理だ。

私はきつくこぶしを握り、立ち上がる。居間から続く縁側の襖をあけ放って、外の空気を胸いっぱいに吸い込む。

「意地でもこの旅館なんて、継ぐもんか! 絶対に実家を出てってやるーっ!!」

この決意は固いんだと自分に言い聞かせるように、庭にある大きな松の木に向かって叫んだ。

自由でささやかで自堕落な夢のこたつ生活を手に入れるためにも、憧れの恋をするためにも、近い将来絶対にこの家を出て行ってやるっ!!

そうやって密かな野心を燃やす私に、とんでもない運命が待っていた。




 

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