俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
なにか変なことを聞いてしまったかなと首をかしげていると、和樹さんはなにかをこらえるように眉をひそめため息をひとつついた。
「深く考えないで、身を任せればいい」
そう言われ、なるほどと小さくうなずく。
身を任せればいいって、こういうことかな。
そう思いながら緊張でこわばった肩から力を抜き、後ろから抱きしめる和樹さんの胸によりかかる。
こてんと彼の首筋に頭をあずけて見上げると、こちらを見下ろす和樹さんと目が合った。
少し驚いたような和樹さんの表情に私が目を瞬かせていると、みるみる彼の顔が赤くなっていく。
私を抱きしめている腕に何度か力が入りかけ、けれどためらうように動きを止める。
そんなことを繰り返してどうしたんだろう、と不思議に思っていると、頬に触れたたくましい胸から彼の鼓動が伝わって来るのに気が付いた。
とくんとくんと脈打つ鼓動を聞きながら、目を閉じる。
「……よかった」
小さな声でつぶやくと、和樹さんが首をかしげた。
私は瞳を開き、こちらを見下ろす和樹さんに微笑みかける。
「和樹さんもドキドキしてるから、緊張してるのが私だけじゃなくてよかったと思って」
はにかみながらそう言うと、和樹さんは口もとを手で隠し「参った……」とつぶやいて黙り込む。
「どうしたんですか?」
そう問うと、彼は「なんでもない」とかぶりを振りため息をついた。