俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
背中に回った腕の感触や、私の頬にふれるたくましい肩。緊張しながら視線をあげれば、男らしいあごのラインが見える。
恋愛経験ゼロの上、男性への免疫も皆無で、ハグどころか異性と手をつないだこともない私は、抱きしめられるだけでこんなにドキドキしてしまうなんて知らなかった。
和樹さんにハグをされている間、どんな表情でどんな態度をすればいいのかわからなくてただひたすら硬直してされるがままになっていると、頭上でくすりと笑う気配がした。
そしてようやく腕が緩められる。
「じゃあ、行ってくる」
どことなく機嫌良さそうにそう言って、玄関を出ていく和樹さん。
そんな彼を見送ってから、私はへなへなとその場にしゃがみこんだ。
……もう、ドキドキしすぎて心臓が壊れるかと思った。
そう思って胸を押さえていると、閉まったはずのドアが開く。
なんだろうと顔を上げると、「ひとつ言い忘れた」と言って顔をのぞかせた和樹さん。
「今日荷物が届くから、受け取っておいてくれるか?」
「お荷物、ですか?」
「そう。オーダーしていたスーツが届く予定なんだ」
「わかりました」
さすが大宮建設の副社長の和樹さん。いつもスーツ姿が素敵だと思っていたけど、やっぱりオーダーなんだな、と感心しながらうなずく。