俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
すると和樹さんは玄関でしゃがみこんでいる私のことを見下ろして笑う。
「それにしても、そんなところに座り込んでどうした?」
「えっ!?」
指摘され、はっとした。ドキドキしすぎて玄関に崩れ落ちてました、なんて言えるわけがない。
「なんでもないですっ!」
慌てて立ち上がろうとして、スカートのすそを踏んでしまった。バランスを崩した私を、和樹さんが手を伸ばし抱き留めてくれる。
気付けば、また私は和樹さんの腕の中。
「大丈夫か?」
耳元で艶のある声に問いかけられ、一気に体温が上がった。
「だだだだだ大丈夫ですっ!」
動揺を隠せない私に、和樹さんは目元を緩めてくすくすと笑う。
「じゃあ、行ってくる」
うるんだ私の目元を長い指でなぞってから、わずかに微笑んで出ていく和樹さん。
愛のない契約結婚なのにこんなに動揺してしまうなんて、情けない。
しっかりしなきゃ。そう思って熱い頬をぱちんと叩いた。