俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
その日の夕方、夕食の買い物から帰り食材を冷蔵庫にしまっていると、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
和樹さんが言っていた荷物が来たんだな。とインターフォンの画面を見て対応すると、上品な印象の老紳士がスーツを届けに来てくれた。
「ありがとうございます」と玄関のドアを開ける。すると彼は私のことを見てしわのよった目元に柔らかな笑みをうかべた。
「和樹さんの奥様ですね。はじめまして」
「お、奥様……っ!?」
確かに和樹さんと私は結婚したけれど、奥様なんて呼ばれたのは初めてで一気に頬が熱くなる。
「先日の大宮建設の五十周年パーティーに参加された方々が、みなさんそろってとても綺麗な奥様だと噂されていましたよ」
「そ、そんな噂が……?」
「スーツの採寸をする間、お客様の噂話に耳を傾けるのも私の仕事のひとつですから」
驚いて目を見開いた私に、老紳士は柔らかく微笑みかける。
きっとあのパーティーに招待されるような上流階級のセレブたち御用達の高級テーラーなんだろう。