俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
朝、仕事へ向かう和樹さんを見送るために玄関までついていく。
いつものハグをしようと手を広げた彼の前に、小さなトート型の保冷バッグを差し出した。
「あの、これよかったら」
そう言うと、和樹さんは不思議そうな表情でバッグを受け取る。
「なんだこれは」
「お弁当なんですけど、もし食べる時間があったら……」
「俺のために作ってくれたのか?」
和樹さんの顔がぱぁっと明るくなり、食い気味にそう問われた。
私は驚きながらうなずく。
まるで重要なものを扱うように大切そうにお弁当が入ったバッグを持ち上げ、まじまじと見つめる和樹さん。
どうしよう。
手作りのお弁当を渡したら絶対に面倒がられると思っていたのに。
こんなに嬉しそうな反応をされるなんて予想外だ。
なんだか急に弱気になってくる。