俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「あの、社外での用事もあると思いますから、無理して食べなくてもいいですから……」
「今日の昼は社内にいる予定だから大丈夫だ」
「でも、あの。できればひと目につかないように、こっそり食べてくださいね」
「どうして?」
「だって、大企業の副社長が妻手作りのお弁当を持って出社するなんて、なんだか変じゃないですか?」
「そんなことない」
「でも恥ずかしいですよ」
「誰に対して恥ずかしいのかさっぱりわからない」
「だから、和樹さんのために作ったお弁当をほかの人に見られるのは私が恥ずかしいんです!」
なかなか納得してくれない和樹さんに真っ赤な顔でそう訴えると、ようやくうなずいてくれた。
「わかった。執務室でひとりで食べることにする」
そう言われ、ほっと胸をなでおろす。
「じゃあ行ってくる」
といつものように私に向かって腕を広げる和樹さん。
朝と夜恒例の、スキンシップのハグだ。
このハグをするようになってもう半月近くたつから、いくら恋愛経験ゼロの私もこれくらいの触れ合いには慣れてきた。
和樹さんに近づくと、腰を引き寄せられぎゅっと抱きしめられる。