俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「ふたりで露天風呂に入ったのよ。ね、スズカ?」
「はい。美蘭に温泉を気に入ってもらえてよかったです」
俺があんなに心配していた間、ふたりは仲良く温泉に入っていた?
意味が分からず目を瞬かせる。
「日本の温泉って怖いわ。体だけじゃなく心まで緩ませて油断させる成分でも入っているのかしら。それともスズカのこのほんわかした柔らかい雰囲気のせいかしら」
俺が首をかしげると、美蘭はため息をついてこちらを見る。
「ふたりで温泉に浸かって話をしているうちに、カズキを脅して結婚をせまる予定だったのにすべてが馬鹿らしくなったの。でもただ身を引くのは癪だから、賭けをしたのよ」
「賭け?」
「あなたに仕事とスズカどちらを取るか迫って、もし今まで仕事にしか興味のなかったカズキがスズカを取ると言ったら、私ももう父の言う通りに動く便利な駒でいるのをやめるって」
「そんなの迷わず鈴花を取るに決まっている」
そう言うと、腕の中にいる鈴花がこちらを見上げて複雑そうな表情をした。
「でも、もし美蘭が本気で和樹さんとの不倫を訴えると言っていたらどうするつもりだったんですか?」