俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
鈴花の顎をすくいあげて見つめあうと、横からゴホンと咳払いが聞こえてきた。
「腹が立つからそういうことは、ふたりきりになるまで我慢してくれない?」
「す、すみません……っ」
冷ややかな視線に気づいて真っ赤になって俺の腕の中から逃げ出した鈴花と、邪魔されたことに心の中で舌打ちをする俺。
そんな俺たちを見た美蘭は、噴き出すように笑った。
「あー、本当に胸焼けするくらい幸せそうなあなたたちを見ていたら、十年も愛のない男と結婚している自分が馬鹿らしくなったわ。香港に帰って、父にあなたの言うことを聞く駒はもうやめるって宣言する」
「大丈夫か? 俺ができることがあれば力をかすが……」
「私は今まで父が成り上がるためにどんなことをしてきたのか、娘として一番近くで見てきたんですもの。一族の弱みなんて腐るくらい握ってる。もし私を自由にさせないと言うなら、脅してやるわ」
「脅すって。あの李グループの当主を相手に大丈夫か?」
俺が眉をよせると、美蘭は声を上げて笑った。