俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

「まぁ、私の口をふさぐために、コンクリート詰めにして海に沈めてやる、くらいは言われるかもしれないけどね」

物騒な言葉に鈴花がぎょっとして顔色を変えると、美蘭は「冗談よ」と肩を揺らした。

「うちは多少ガラが悪いけれど、ヤクザでもマフィアでもないもの。実の娘が反抗したところで、勘当して縁を切られるのがせいぜいよ」

すがすがしい表情で言った美蘭の手を、鈴花がそっと握る。

「もし香港に居づらくなったら、いつでも日本に来てくださいね」
「それもいいわね。日本にいればいつでもスズカに会えるし」

いつの間にか友情が芽生えた様子のふたりを眺めていると、美蘭はとんでもないことを言い出す。

「もし父に勘当されたら、しばらくスズカの部屋に居候させてもらおうかしら」

その言葉に鈴花が笑顔になる。
彼女がなんのためらいもなく頷きそうになったのを見て、俺は慌てて口を開いた。

「日本に住むなら、いくらでも部屋を用意するからうちに住むのは遠慮してくれ」

せっかく思いが通じて本当の意味での新婚生活が待っているというのに、同居人なんて勘弁してほしい。真顔でそう訴えると、美蘭は声を上げて笑った。


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