俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
恥ずかしさのあまり悲鳴を上げた鈴花を後ろから抱きしめて、俺は隼人くんのことを見下ろした。
「まぁ、これからたっぷり出すけどな」
俺の言葉に驚いた鈴花が、目を見開いてこちらを振り返る。
「か、和樹さんなにを言ってるんですか……!」
涙目の鈴花に向かって「家に帰ってふたりきりになったらって約束だもんな」と甘い微笑みを向けると、見ていた隼人くんが絶叫した。
「姉ちゃんを汚すな! 離れろケダモノ!!」
そんなにぎやかなやりとりを眺めていた美蘭が、笑いながら隼人くんに近づく。
「スズカが大好きなのはわかるけど、こんなバカップルに付け入る隙はないんだから諦めなさいよ」
「俺は姉ちゃんが心配なだけで、別に大好きじゃないし!」
「はいはい。それより私に日本を案内してよ。せっかく来たんだからあちこち観光がしたいわ」
「なんで俺が」
「あら。こんな絶世の美女とデートできる幸運を素直に喜んでいいのよ」
「デートなんてしたくないし、絶世の美女って自分で言うな」
「日本人は本当にシャイね。じゃあ、大好きな姉をとられていじけているシスコンをこじらせたあわれな弟を、私がなぐさめてあげるから感謝なさい」
「だれがシスコンだ!」
美蘭が目配せすると、控えていたスーツ姿の男が隼人くんをかつぎ問答無用で連れ去っていく。