俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
たしかに、彼女と名字が一緒だ。
じゃあ、恋人だというのは俺の勘違いだったのか……。
体中にうずまいていた激しい怒りが一気に冷える。
とんでもない勘違いをしていたことに気付いて、体から力が抜けるような気がした。
「どうして言わなかったんだ」
「言おうとしたんですが……」
言いづらそうに目をそらされて、自分の過去の言動を思い出す。
確かに彼女は俺に説明しようとしたけれど、興味はないから言い訳する必要はないと話も聞かず拒絶したのは自分だ。
「鈴花さん、腕は大丈夫ですか」
それまで後ろで見守っていた穂積が近づき、鈴花の腕を掴んでいた俺の手を開かせる。
驚くほど細く白いその腕には、くっきりと俺の指の跡がのこっていた。
その痛々しさに、思わず顔をしかめた。怒りにまかせて乱暴に彼女の腕を掴んでしまった後悔が押し寄せる。