アンドロイドに眼鏡は必要か?
「そうですね。
怒っているというよりは呆れています。
あれほど研究の邪魔をしたら追い出すと言っているのに、懲りずに何度も話しかけてくるんですから」

「……ごめんなさい」

ハーキースが肩をすくめ、穴があったら入りたい。

「もう、諦めがつきました。
なにを言ってもあなたには無駄なのだろうと。
……それで。
僕のやっている研究が知りたいんですよね?
これは人工筋肉の研究で……」

「ちょっと待って!」

ハーキースが説明をはじめ、慌ててタブレットとタッチペンを手に駆け寄る。

ハーキースは結局、カスミの聞くことすべてに丁寧に答えてくれた。


それからというもの、カスミがなにか尋ねてもハーキースは答えてくれるようになった。
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