アンドロイドに眼鏡は必要か?
それどころか、カスミのやっている研究に対して助言までくれる。

カスミは瞬く間にヴァレット博士の残した研究を理解し、さらに進化させるべく研究を開始した。

この研究が完成すれば、人類は死の恐怖から解放される。

ハーキースのやっていた研究もまた同じもので、いつの間にかふたりは共同研究者になっていた。

「ハーキース、これってどう思……」

カスミが振り返ると思いの外近い距離に、ハーキースの顔があった。

ふれそうになった唇に、顔に熱が上がっていく。

「ん?」

赤い顔で俯いてしまったカスミを、ハーキースがレンズの奥から不思議そうに見ている。

「どうかしましたか?」

「あ、うん。
……なんでもない」
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