アンドロイドに眼鏡は必要か?
まともにハーキースの顔を見られない。
ぎくしゃくと割れたビーカーに手を伸ばしかけて、ハーキースに掴まれた。

「さっきからおかしいですよ?
少し、休んでいてください。
あとは僕が、片付けますから」

「うん。
……オネガイシマス」

立ち上がったものの、足下がおぼつかない。

キッチンで水を飲んで落ち着こうとむかいかけたものの。

「あ、危ない」

「……いっ、たー」

ゴン、大きな音とともに本棚に激突した。


……はぁーっ、ため息が落ちる。

結局、じっとしていてくださいと手近な椅子に座らされた。

ハーキースが汲んできてくれた冷たい水を飲むと、少しずつ落ち着いていく。
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