アンドロイドに眼鏡は必要か?
ハーキースを必死で調べるが、いまのカスミにはわからないことだらけ。

どこが壊れているかすら、見当がつかない。

「絶対に助ける。
助けるから」

「カスミ」

手を掴まれ、ハーキースに視線を向けると、静かに首を振られた。

「なんでっ!?
これから、ふたりで幸せに……」

「いいんです、カスミ。
このまま活動を続けていてもカスミが死んだあと、ずっと長い時間をひとりで過ごさなければなりませんでした。
そんなこと、私には耐えられない。
あなたを残して活動を停止するのは、つらいですが」

「ハーキース……」

カスミの頬の上を、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。

「きっと、博士の命令に反してあなたを研究所に入れたときから、私はおかしくなっていたんです」
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