それでも君を
心配そうに見つめる香織を他所に、私の頭の中は輸血のことでいっぱいだった。



てことは、また輸血するの…?



嘘でしょ…



「とりあえず聴診から済ませようか」



私の気持ちとは裏腹に、話が核心へとたどり着くのはまだお預けらしい。



時々香織へのレクチャーを入れつつ、颯くんによって聴診が進められていく。



聴診器を宛てがう場所に関しては、私はほぼ習得済みのため、大人しく患者役に徹した。



香織の手前、少し強がって耐える。



「はい、いいよ」



颯くんからそう声がかかり、診察によって乱れた服を正す。



「…あのさ颯くん、私は…どうして貧血なの?」

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