それでも君を
ブーブーブー 



甘い空気を掻き消すかのように、真ちゃんの胸ポケットに入っていたPHSのバイブ音が響く。



残念そうな顔で胸元を見つめた後、右手は私と繋いだまま、左手のみで器用にPHSを取り出して通話ボタンを押した。



「はい。…お疲れ様です。…はい、…はい、了解です。あ、それはこちらで確認しておきます」



何やら業務連絡らしい会話内容を繰り広げる真ちゃんをじっと見つめる。



「…はい、分かりました。失礼します」



PHSを切ると再び左手のみでポケットへと戻しながら、真ちゃんがこちらへと話し掛けてくる。



「青城先生から。今からもう薬入れようって。あと、輸血も追加だってさ」



話の内容的に患者さんの事だとは思ってたけど、私のことだったのか…!



輸血…



やっぱりするんだ…


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