それでも君を
着ていたスクラブのボタンを外し、胸元が見えるようにしてくれた。



そこにそっと手を這わせ、傷痕をなぞる。



「くすぐったいよ」



「これ、痛かったよね?」



「まぁ、そうだね」



「よく耐えたね。偉いなぁ〜」



「うん」



「針刺すくらい、この大きな傷に比べたら大したことないもんね」



自分で自分に言い聞かす。



「比べなくていいけど、針はすぐ終わるし、ずっと痛いわけじゃない」



「そうだよね…、うん。頑張ろう、かな」



「うん、梨央も偉い。準備してくるから待ってて」



そっと私のおでこにキスを落とした後、はだけたスクラブのボタンを留め直しながら、真ちゃんは病室から出ていった。

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