世界で一番、不器用な君へ
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「終わっちゃったね、体育祭」
「ねー」
少しだけ疲れがにじむ楓の声に、私も同じような声で返事をする。
なんか色々あった体育祭だったな…
クラス優勝は無理だったけど、まあ二人三脚は優勝できて、先輩の笑顔もみれたしいっか。
「蓮先輩!」
なんとなく、教室のドアに目をやる。
一年の女の子2人に呼ばれて、蓮が立っていた。
「ハチマキ、交換してください!」
女子達が遠慮気味にそちらに目をやるのがわかった。
楓も「おっきたきた」と声をあげている。ミーハーだなあ。
「ごめん、もう交換しちゃったから」
空気が、ざわつくのが分かる。
「えっうそ、蓮くん好きな人いるの」「バスケ一本のアイツが…」「ほら、あれじゃね、一個上の美人な」「ついにモテ男も誰かのものに、かあ」「嫌だよそんなの〜」
「ちょっと一花、あんたなんか知ってる?」
「知らないよ…ふーん、蓮にもちゃんとそういう気持ちがあんのね」
なんか先を越されたみたいでムカつくけど。
ま、どーでもいいけどね。
そんなことより、大和先輩を誘わなきゃなんだから…
あー!考えただけで心臓が痛いよ…