世界で一番、不器用な君へ


***


「終わっちゃったね、体育祭」


「ねー」


少しだけ疲れがにじむ楓の声に、私も同じような声で返事をする。


なんか色々あった体育祭だったな…


クラス優勝は無理だったけど、まあ二人三脚は優勝できて、先輩の笑顔もみれたしいっか。


「蓮先輩!」


なんとなく、教室のドアに目をやる。


一年の女の子2人に呼ばれて、蓮が立っていた。


「ハチマキ、交換してください!」


女子達が遠慮気味にそちらに目をやるのがわかった。


楓も「おっきたきた」と声をあげている。ミーハーだなあ。


「ごめん、もう交換しちゃったから」


空気が、ざわつくのが分かる。


「えっうそ、蓮くん好きな人いるの」「バスケ一本のアイツが…」「ほら、あれじゃね、一個上の美人な」「ついにモテ男も誰かのものに、かあ」「嫌だよそんなの〜」


「ちょっと一花、あんたなんか知ってる?」


「知らないよ…ふーん、蓮にもちゃんとそういう気持ちがあんのね」


なんか先を越されたみたいでムカつくけど。


ま、どーでもいいけどね。


そんなことより、大和先輩を誘わなきゃなんだから…


あー!考えただけで心臓が痛いよ…

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