世界で一番、不器用な君へ


「蓮!」


「うおっ突然ぶつかってくんな!」


だって、喜びが爆発しそうで。


「ちょっとこっちきて!」


腕を引っ張って、急いで体育館裏に移動する。


「なんだよ」


「あのね!大和先輩、行ってくれるって!」


蓮は少しだけ驚いたように目を見開く。


「へえ、マジで成功したんだ」


「ちょっと、それどういう意味よ」


ほんとこいつはいちいち腹が立つな…


「ま、頑張ったんじゃん?」


そう言って、蓮はポンポン、と私の頭を撫でる。


「ああ今から緊張するよー!」


「まー当日のことは俺に任せろって」


「何か策でもあるの?」


私の言葉に、蓮はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


「まあな」


なんか、嫌な予感しかしないんですけど…

< 144 / 190 >

この作品をシェア

pagetop