世界で一番、不器用な君へ
「蓮!」
「うおっ突然ぶつかってくんな!」
だって、喜びが爆発しそうで。
「ちょっとこっちきて!」
腕を引っ張って、急いで体育館裏に移動する。
「なんだよ」
「あのね!大和先輩、行ってくれるって!」
蓮は少しだけ驚いたように目を見開く。
「へえ、マジで成功したんだ」
「ちょっと、それどういう意味よ」
ほんとこいつはいちいち腹が立つな…
「ま、頑張ったんじゃん?」
そう言って、蓮はポンポン、と私の頭を撫でる。
「ああ今から緊張するよー!」
「まー当日のことは俺に任せろって」
「何か策でもあるの?」
私の言葉に、蓮はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
「まあな」
なんか、嫌な予感しかしないんですけど…