クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「なんで…なんでよ」
彼の腕の中で暴れだす。
「落とされたくなかったらジッとしてろ…いい子だ。鍵は?」
この高さから落ちたら、どんな落ち方をするか想像もできなくて、言われるままおとなしくなったら、子供をあやすように私のほっぺにチュッとキスした彼は、テーブルの上にあった部屋の鍵を見つけ、勝手に電気も消して、玄関を出ようとしている。
「どこいくの?私、靴履いてない」
「いらないだろ…逃がさないし」
はい?
「逃がさないって?」
にやっと意味深に笑い、私を抱えて器用に鍵を閉めた彼に連れてかれた場所は、宣言通り、彼の部屋なのだが…なぜ、ベッドの上で彼にのし掛かられているのだろう?
「ま、まった」
「なんだよ」
「これはいったい、どういうこと?」
「わからない訳じゃないだろ」
「わかるけど…私達、付き合うの?」
彼の目尻がひくついた。
あー、うっとしい事言っちゃった…
「さっきの瞬間から俺はそのつもりだったけど、お前は違うのかよ」
「はっきり付き合うとかお互いに言ってない。それにさっきの瞬間ってどれよ?付き合う要素のやり取りあった?」
面倒くさいよね…
「…あんなさらけ出したのに、恥ずかしくて同じこと言えるかよ」