バンパイア・ トラブル
礼子は材料と土鍋を購入して戻ってきた。
お粥を土鍋で作るという。
礼子が云うには美味しさが違うそうだ。
「お粥はあんまり、好きじゃないじゃないんだけどな」
重い荷物と材料をわざわざ買って来てくれたのに、おれは呟いてしまった。
だが礼子は心が小さいわがままなおれに、笑みを浮かべる。
「熱があるときは消化の良いものにしましょう。身体に負担がかかりますから」
礼子は土鍋でお粥を作り塩昆布とネギをのせたもの、煮魚を運んできた。
「たんぱく質も一緒に摂りましょうね」
礼子はいつものようにあまり感情が感じられないが、暖かさのようなものを感じた。
そしておれのために作ってくれたのかと思うと何となく気恥ずかしくも思った。
いい年して、おれはときめいていた。
少し冷ましてからスプーンで口に運ぶ。
「うまい」
おれは漏らした。
マジだ。
すごく旨い。
「良かったです」
礼子が微笑する。
味付けや火加減などの調理ももちろんだが、きっとこれはおれのために作ってくれた、という特別な感情もあるからだと思う。
お粥を土鍋で作るという。
礼子が云うには美味しさが違うそうだ。
「お粥はあんまり、好きじゃないじゃないんだけどな」
重い荷物と材料をわざわざ買って来てくれたのに、おれは呟いてしまった。
だが礼子は心が小さいわがままなおれに、笑みを浮かべる。
「熱があるときは消化の良いものにしましょう。身体に負担がかかりますから」
礼子は土鍋でお粥を作り塩昆布とネギをのせたもの、煮魚を運んできた。
「たんぱく質も一緒に摂りましょうね」
礼子はいつものようにあまり感情が感じられないが、暖かさのようなものを感じた。
そしておれのために作ってくれたのかと思うと何となく気恥ずかしくも思った。
いい年して、おれはときめいていた。
少し冷ましてからスプーンで口に運ぶ。
「うまい」
おれは漏らした。
マジだ。
すごく旨い。
「良かったです」
礼子が微笑する。
味付けや火加減などの調理ももちろんだが、きっとこれはおれのために作ってくれた、という特別な感情もあるからだと思う。