夢物語
 「……さすがに見るに見かねて注意したんだ。相手の子もおそらく同級生、同学年だし未成年同士。問題を起こしては相手の親御さんにも申し訳が立たないし、いい加減にするようにと。そしたらあいつ、こう反論してきたんだ」


 「どんな風に……ですか?」


 「母さんがかわいそうだ! と言い返して、そのまま家を飛び出していった」


 「……」


 改めて認識する。


 亡き母の存在を盾にして西本さんに反抗しているけれど、優くんは私に対して怒っている。


 私を憎んでいる。


 優くんが私に好意を抱いていたことに、気付いていなかったわけではない。


 でも年齢的な問題もあり、こちらからはその気持ちに応えることができずにいるうちに……私は西本さんのものになっていた。


 最悪の形で気持ちを踏みにじられた優くんは、私の裏切りに憤りを感じつつも、相手が実の父親だけに声を大にして非難することもできない。


 それが西本さんへの無視や反抗的態度、さらにはいろんな女を家に連れ込むといった問題行動に繋がっている。


 全ては私への復讐?


 具現化できない思いを、破滅的な行動でアピールしているかの如く。
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