夢物語
「……真由とはいずれ結婚するつもりだけど、」
いつの間にか夕暮れの空は、夜の闇へと変わっていた。
北海道のお盆休みはもう秋への入り口。
庭園の隅で鳴いている虫の声が、季節の移ろいを感じさせる。
熱く抱き合った後、消えゆく熱を惜しむかのように触れ合って過ごすこの時間が好きだった。
結婚を口にした西本さんの一言に、私の心の中に緊張感が走る。
「やはり今は優を余計に刺激するから、もうちょっと先送りしたいと考えている。せめて優が高校を卒業するまでは。真由の大事な青春時代を中途半端にさせてしまい、申し訳ないとは思うのだけど……」
髪を撫でながら、これからの二人のことについて語る。
「私もその方がいいと思います。まだ私も社会人一年目で、仕事も覚えたいことだらけですし。それに今の状態では……西本家に嫁に入って、優くんと以前のように接することができる自信は持てません」
私のことを怒っており、あてつけるかのように問題行動を繰り返す優くんと同居するのは、互いにとって何一ついいことはないのは明々白々。
優くんが卒業、いや独立して、家を出てからにしようと心に決めていた。
きっとその頃までには優くんにも大切な人ができていて、幸せを見つけることができているだろうと期待して……。
「真由には本当に、申し訳ないことをしたと思っている。僕のわがままに真由まで巻き込んでしまって。人生を狂わせてしまったかもしれない」
いつの間にか夕暮れの空は、夜の闇へと変わっていた。
北海道のお盆休みはもう秋への入り口。
庭園の隅で鳴いている虫の声が、季節の移ろいを感じさせる。
熱く抱き合った後、消えゆく熱を惜しむかのように触れ合って過ごすこの時間が好きだった。
結婚を口にした西本さんの一言に、私の心の中に緊張感が走る。
「やはり今は優を余計に刺激するから、もうちょっと先送りしたいと考えている。せめて優が高校を卒業するまでは。真由の大事な青春時代を中途半端にさせてしまい、申し訳ないとは思うのだけど……」
髪を撫でながら、これからの二人のことについて語る。
「私もその方がいいと思います。まだ私も社会人一年目で、仕事も覚えたいことだらけですし。それに今の状態では……西本家に嫁に入って、優くんと以前のように接することができる自信は持てません」
私のことを怒っており、あてつけるかのように問題行動を繰り返す優くんと同居するのは、互いにとって何一ついいことはないのは明々白々。
優くんが卒業、いや独立して、家を出てからにしようと心に決めていた。
きっとその頃までには優くんにも大切な人ができていて、幸せを見つけることができているだろうと期待して……。
「真由には本当に、申し訳ないことをしたと思っている。僕のわがままに真由まで巻き込んでしまって。人生を狂わせてしまったかもしれない」